用語集
Glossário

A

abadá アバダー

【男性名詞】
カポエイラで使われる服(ユニフォーム)のこと。主にコンテンポラニア(コンテンポラリー)と呼ばれるカポエイラ・スタイルで使われる名称で、現在は白に限らず、様々な色のストレッチ生地のパンツ(calça=長ズボン)を指す。

一部の辞書では、リオデジャネイロ州で使われるカポエイラ特有の衣服(長ズボン)と定義されたり、バイーア州サルヴァドールのカーニバルに参加するために販売されるTシャツ・胴衣もabadáと呼ばれたりする。語源はアフリカ系ムスリムが使っていた長衣(albada, agbádá, agbará)とされる。

ちなみに『ABADÁ-CAPOEIRA』は"Associação Brasileira de Apoio e Desenvolvimento da Arte-Capoeira"の略で、日本の各支部では「全ブラジルカポエイラ支持発展協会」(www.abada-capoeira-tokyo.com)や「ブラジル・カポエイラ芸術後援促進協会」(www.abadacapoeira.jp )の訳が当てられている。

acarajé アカラジェー

【男性名詞】
ブラジル北東部バイーア州の郷土料理。

アフロ・ブラジル宗教のカンドンブレ(Candomblé)では、嵐と稲妻を司る女神であるオリシャ「Iansã(イアンサン)」への捧げ物である。近年では、福音派の売子らが「ジーザスのコロッケ」(bolinho de Jesus)に名称を変えて売り始め、明らかな文化の盗用であると物議を醸した。

agogô アゴゴ

【男性名詞】
大小2つの円錐形の金属製ベル(カウベル)を繋げたアフロ・ブラジル打楽器(体鳴楽器)。カポエイラ以外でもサンバやカンドンブレでも使われる。サンバではベルが2〜4連のものがあったり、カポエイラではブラジルナッツ(castanha-do-pará)の殻で作った木製のものも使われる。

Ag'ya アギャ

【女性名詞?】
カリブ海マルチニーク島のダンス・格闘技。Ladja(ラジャ)またはDanmyé(ダンミエ)とも呼ばれる。“相手を欺く狡猾さ”が特徴のひとつとされ、カポエイラと多くの類似性がある。

aluna/aluno アルーナ・アルーノ

【男性名詞/女性名詞】
広義では「生徒」や「学生」の意味。狭義にとらえると「見習い」または「弟子」の意味合いになる。団体によって様々な“段級位制”(sistema de graduação)があるが、初心者・初級者を“aluno principiante/iniciante”、中級以上を“aluno graduado/formado”などと呼んだりする。

Apanha a laranja no chão tico-tico アパーニャ・ララージャ・ヌ・シャウン・チコチコ

「チコチコ(スズメ目の鳥)よ、床に転がっているオレンジを取って」の意味だが、カポエイラではハンカチに包んだ投げ銭を口で取り合う特有のジョーゴ(jogo)または歌を指す。また、Santa Maria(サンタ・マリア)のトーキ(toque)が Apanha a laranja no chão tico-tico と呼ばれることもある。

angola アンゴラ

カポエイラでは主に次の3つの意味で使われる。

【女性名詞】
①カポエイラのスタイル(詳しくはこちら)または“jogo”の名称
②ビリンバウのリズム(toque)
 他にも angolinha, angola pequena/dobradaなどがある

【男女同形名詞】
③そのスタイルの使い手
 angoleira=アンゴレイラ(女性)、angoleiro=アンゴレイロ(男性)

通常はアフリカ南西部の国名(Angola)を指す。発音的には2音節目にアクセントがくるので「アンゴーラ」と長音符を付けた表記の方が近い。

スタイルの名称として「capoeira angola=カポエイラ・アンゴラ」の表記が一般的だが、ブラジルのポルトガル語正書法語彙集(VOLP)では「capoeira de angola=カポエイラ・ジ・アンゴラ」と登録されている。

VOLPでは“capoeira regional”や“capoeira contemporânea”の他のスタイル名が登録されておらず、名詞“capoeira”に形容詞を加えただけなのに対して、“capoeira de angola”はひとつの複合名詞として扱われているからだと考えられる。

apelido アペリード

【男性名詞】
あだ名・ニックネーム・通称などの意味。カポエイラでは“醜名(四股名)”のニュアンスに近い。近年では、黒人がキリスト教徒に改宗させられてクリスチャンネームを付けられた“奴隷制の名残”や“軽蔑的な名前”が付けられていると指摘され、カポエイラでアペリードの是非に賛否両論ある。

アペリード賛成派は、カポエイラが禁止されていた時代に身元がバレないように、昔から使われていた風習だと訴える。現在では、カポエイラの“batizado”(洗礼式)でアペリードが付けられることが多いが、伝説的なカポエイリスタ“Besouro Mangangá”(ビゾウロ・マンガンガー)を例に、近代スタイルが確立する前から使われている。

aprendiz/aprendiza アプレンジス・アプレンジザ

【男性名詞/女性名詞】
①見習い、徒弟(弟子=discípulo/discípula)
②初心者

Mestre(メストリ=師範・師匠)の対義語として使われたり、先生(professor/professora)やインストラクター(instrutor/instrutora)などの"見習い"の意味でも使われたりする。

atabaque アタバキ

【男性名詞】
キューバのコンガ(トゥンバドーラ)に似ている樽型のアフリカ起源の太鼓。ヘッドは牛やヤギの皮を使用。カポエイラでは、ヘジョナウ(regional)スタイル以外で使われる。

アタバキの語源はアラビア語の”aṭ-ṭabaq”が由来とされいるが、楽器そのものは大西洋奴隷貿易でアフリカからブラジルに持ち込まれた太鼓である。

アフロ・ブラジル宗教のカンドンブレ(candomblé)では大中小の“rum, rumpi, lé”の3種類のアタバキが演奏され、カポエイラの現在の楽器体(bateria)で使われるビリンバウ3本の編成は、その役割分担も含め、カンドンブレのアタバキの演奏方法から影響を受けたとも言われている。

しかし、20世紀まではカポエイラでビリンバウが使われていた記録がなく、主にアタバキなどの太鼓(tambor)が使われていたと考えられている。例えば、カポエイラが始めた描写された1835年頃のルゲンダスの作品『Jogar Capoëra』では、木をくり抜いたシンプルな構造で胴体にまたがって座るブラジルの無形文化財の「Tambor de Crioula do Maranhão」で使われるものと酷似している。

また、カポエイラ・アンゴラのMestre Waldemarによると『アタバキは後からカポエイラに導入された』と証言している。カポエイラが禁止されていた時代に、ストリートで太鼓を担いで警察から逃げるのは困難だったためアタバキが使われていなかったとの考察もある。

ataque アターキ、アタッキ

【男性名詞】
①攻撃、オフェンス
②非難
発作

♪ Capoeira é defesa e ataque...
 カポエイラでは防御と攻撃は一体である…

arco musical アルコ・ムジカウ

【男性名詞】
カポエイラのビリンバウ(berimbau)を含む弓に弦を張った原始的な弦鳴楽器、つまり楽弓(がっきゅう)の総称。日本では神事に使われる梓弓(あずさゆみ)がある。

aú アウー

【男性名詞】
側転を意味するカポエイラの専門用語。ブラジル・ポルトガル語で側転は一般的に“estrela”と言うが、直訳すると星や人気者(スター)などの意味もある。

正しい表記はである(小文字でOK)。

一部の辞書では、側転をする時にアルファベットの”A”と”U”のような体勢になることから付けられた名称だと解説するが語源は不明またはアフリカ由来の可能性があるとされている。

動作としては、ベジョナウやコンテンポラニアのホーダでjogoを始める前によく“aú”が使われたり、防御や攻撃、魅せ技としても幅広く使われたりするので、技の名前のバリエーションとして“aú sem mão, aú de cabeça, aú chibata, aú reversão”などなどがあり、一番多く使われる名称かもしれらない。

aula アウラ

授業、講義のこと

aula de capoeira(アウラ・ジ・カポエイラ)=カポエイラのクラス
aula de música(アウラ・ジ・ムージカ)=音楽のクラス
aula de movimento(アウラ・ジ・モヴィメント)=動きのクラス

axé アシェ

【男性名詞】
①ヨルバ語(àṣẹ)で「生命を司る力」
②カンドンブレではオリシャの力またはその力が宿る物
③バイーア州発祥のブラジルの音楽ジャンル(axé-music)またはそのダンス・スタイル

【感動詞】
①幸せに、幸福を
②(神=オリシャが)望むままに

カポエイラでは掛け声として“axé!”とよく聞いたりするが、この場合は「気合い入れろ!」の意味合いに近い。

抽象的に「エネルギー」の意味もあり、比喩表現として“dendê”と呼ばれるアブラヤシの実は“axé”に満ちているとさることから「エネルギー」のニュアンスで使われることもある。